建設業許可とは?わかりやすく解説します

建設業許可

こんにちは!マムアン行政書士事務所です。

今回は、「そもそも建設業許可って何?」というテーマで解説します。

建設業許可について「何が何だかさっぱり…」という方に向けて、専門用語を使わずに、できるだけ簡単な言葉でお伝えしていきます。

そもそも建設業許可って何?

大きなビルやマンション、橋や道路など、生活に欠かせないインフラを作っている建設業は、私たちの命や安全に直結しています。
さらに、大規模な工事では、ものすごい数の人やお金が動きます。

だからこそ、「信用できない人」に家や道路を作られたら困りますよね?そこで、建設業界には「建設業法」という厳しいルールが定められています。建設業を営む人は全員、このルールを守らなければいけません。その建設業法の中に、建設業許可の制度があるんです。

つまり、一定の基準をクリアしているきちんとした人でないと、大規模な工事をしてはいけません、というのが建設業許可なんです。

※大規模な工事=税込500万円(建築一式工事の場合は1500万円)以上の建設工事、延べ面積150㎡以上の木造住宅工事

ここでとても大事な注意点があります。許可がないからといって、本来は一つの工事を、500万円未満になるようにわざと複数の契約に分割することは、認められていません。

建設業許可=大規模な工事をやっていいのは一定の基準をクリアした人(会社)だけ
【大規模な工事】税込500万円(建築一式工事の場合は1500万円)以上の建設工事、延べ面積150㎡以上の木造住宅工事

ちなみに請負金額の考え方としては、注文者が材料を提供する場合は、材料費やその運送費を含めて500万円を超えるかどうかで判断します。

例えば、エレベーター(注文者が提供)の設置工事で、工事代金が300万円だとしても、エレベーターが300万円、輸送費が20万円の場合、合計620万円になるので、建設業許可が必要になります。

請負金額の考え方
①注文者が材料を提供する場合は材料費等を含める
例:工事代金400万円+材料費100万円+輸送費10万円→合計510万円=許可必要
②機械器具設置工事は、設置する機械の代金等を含める
例:工事代金300万円+エレベーター代金300万円+輸送費20万円→合計620万円=許可必要
※消費税を含める
※注文者から工事用の機械を貸与された場合は、含めない

無許可営業には重い罰則が…

建設業許可を取得せずに500万円以上の工事を請け負うと、重い罰則が科される可能性があります。
恐ろしい話ですが…最悪の場合、本人に対して3年以下の懲役または300万円以下の罰金、さらに法人に対して1億円以下の罰金が科されます。

「工事の契約を結ぶこと」自体に建設業許可が必要なので、無許可営業にならないためには、「工事の前」ではなく「契約の前」に許可を取得しておく必要があります。

無許可で税込500万円以上の工事を請け負うと…
本人に対して:3年以下の懲役又は300万円以下の罰金
法人に対して:1億円以下の罰金
〇 請負契約を結ぶ前に許可を取っておく
× 「工事開始までに許可を取ればいい」

建設業許可を取るメリット

無許可営業の罰則を回避すること以外にも、建設業許可の取得には大きなメリットがあります。

①大規模な工事ができる
②信用力アップ
③公共工事に参加できる
④銀行からの融資が受けやすくなる

①大規模な工事ができる

500万円の制限なく工事を受注できるようになるので、受注のチャンスが大幅に増えます。

②信用力アップ

許可を持っていることで、お客様や取引先からの信頼度がアップします。最近は500万円以下の工事でも、許可業者にしか発注しない、という注文者も増えています。
言い換えると、500万円という金額の制限以上に、仕事のチャンスが大きく広がるということです。

③公共工事に参加できる

国や地方自治体が発注する公共工事の入札に参加できるようになります。

④銀行からの融資が受けやすくなる

許可取得が融資の条件になることも。

許可取得の“一定の基準”とは?

上で触れたとおり、建設業許可を取得するためには、一定の基準をクリアする必要があります。許可の基準は、めちゃくちゃ簡単に言うとこの2つです:

  1. きちんとした人がいるか
  2. きちんとした会社か
①きちんとした人がいるか
経営や技術の知識や経験があるか
暴力団関係者や犯罪者じゃないか
②きちんとした会社か
最低限のお金があるか
まともな事務所があるか
社会保険に入ってるか

この中に、例えば、経営の経験を5年以上積んでいる、とか、必要な技術の国家資格を持っている500万円以上の資金がある、などの細かい条件があります。

これをクリアしていることを証明するために、大量の書類を書いたり、集めたりする必要があります。この作業が本当に大変なので、申請手続きを行政書士に依頼することが一般的になっています。

私たち行政書士は、お客様に代わって必要な書類の収集・作成、役所とのやり取りまで、複雑で手間のかかる手続きをトータルでサポートさせていただきます。お客様は、本業に集中しながら、スムーズに許可取得を目指していただけます。

許可取得の流れ

書類を準備し終えたら、手数料を支払って、役所に申請します。審査に通れば許可取得です。

手数料は許可の種類によって変わりますが、最もメジャーな「一般建設業・知事許可」の場合は9万円です。

①大量の書類を準備(約2週間~1カ月半)
②役所に申請(手数料9万円~)
③審査(約1カ月間)
④許可取得!

許可取得後にすること

許可を取ったら終わりではありません。車の免許と同じように、維持するためにしっかりルールを守ることが大切です。

①毎年:決算変更届 
②5年ごと:更新手続き 
③その都度:変更届 
④その他ルールを守り、許可取り消しに気を付ける

定期的な書類の提出

①毎年:決算変更届

会社の決算が終わったら提出する「今年も真面目に営業しました」という報告のようなものです。

②5年ごと:更新手続き

許可の有効期間は5年なので、忘れずに更新が必要です。

③その都度:変更届

事務所の所在地や役員が変わった時などは、その都度届け出ます。

④その他ルールを守る

これ以外にも建設業法には多くのルールがあり、それを守らないと営業停止や最悪の場合許可を取り消されることもあるので、十分注意しましょう。

許可取り消しのリスク

以下のような場合は許可が取り消される可能性があります:

  • 許可を取った時の条件を満たせなくなった
  • 1年以上仕事をしていない
  • 申請内容に嘘があった

許可を取り消されると、また一から書類を準備して手数料を支払って取得し直さなければいけません。

まとめ

建設業許可について、なんとなくイメージできましたでしょうか?

建設業許可とは、一言でまとめると「大規模な工事を安心して任せられる会社です」という公的なお墨付きのこと。取得や維持は大変だけど、それ以上のメリットがある制度です。

詳しい条件や手続きについては、今後の記事でお話ししていきます。

お困りの方はご相談ください

建設業許可でお困りの方は、お気軽にご相談ください。一緒に問題を解決していけたらと思います。

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